■突然死とは
発病して二十四時間以内に死亡するものを突然死といいます。壮年期の八人に一人は突然死を含む急性死(発病して一週間以内の死亡)です。日本では年間十万人以上が突然死しているといわれています。
■突然死の原因は
亡くなってから見つかることが多いので、原因究明は難しいことが多いのですが、50%は心臓病で、そのうちの70%は心筋梗塞や狭心症であることがわかっています。
次に気管支喘息、大動脈瘤、くも膜下出血が続きます。その背景には高血圧、糖尿病、高コレステロール血症、肥満、タバコ、過度の飲酒、寝不足、ストレスなどの病気と生活習慣が関連するといわれています。
■突然死の前兆は?
亡くなった人の中で60%以上の人に頭痛、めまい、耳鳴り、肩こり、しびれ、息切れ、動機がありました。
■動脈硬化との関係
突然死の大きな原因である心臓病は、動脈硬化で起こります。動脈の血管壁に脂肪やコレステロールが付着して硬くなり、狭くなって血流が悪くなります。血管が詰まると血流が途絶えて、組織の不可逆性の壊死が起こります。そして心臓も止まり、死に至るのです。
まったく自覚症状もなく、進行していく動脈硬化は、生活習慣を改善することで防ぐことができます。
■突然死の予防は
@タバコは吸わない
一日四十本以上のヘビースモーカーは特に危険です。
A食べ過ぎ、過度の飲食は避ける。
B適度な運動を行う
肥満防止に有効ですが、五十歳を過ぎたら激しい運動は避けた方が良いでしょう。
C十分な休息をとる
ストレスをためず過労を避けましょう。
D定期健診は必ず受ける
コレステロールや血糖のチェック、自分の血圧を知ることが重要です。
■過労死とは
過労死とは「過労により、人間の生体のリズムが破壊されて生命維持の機能が破綻をきたした生命状態」と
一応定義され、突然死の原因のひとつです。
脳血管疾患や循環器疾患の労災認定運動の中で、使用されるようになった言葉で、医学的に厳密な言葉ではありません。
■いびきと突然死
最近巷で話題になっている睡眠時無呼吸症候群は、いびきと大変関係が深く、いびきの大きな人の八〇%から90%に睡眠時に無呼吸になっていると観察されています。
睡眠時無呼吸症候群は、十秒以上の無呼吸の状態が、一晩の睡眠中に三十回以上出現する症状で、上気道の形態異常、横隔膜は動いているのに、口・鼻呼吸が止まってしまう閉塞型と呼吸中枢からの機能が低下して、横隔膜の呼吸運動が止まる中枢型、その両方が混在する混合型の三種類に分類されています。
重症になると呼吸が停止し、窒息状態になり、血液中の酸素濃度が下がり、高血圧、不整脈、心不全、または突然死を招く危険性も起こる心配が出てきます。
口腔内を広げる手術をすれば呼吸が楽にできるようになり、いびきも小さくなり、睡眠時無呼吸症候群も治るといわれています。
現在ではレーザーや高周波電気によって手術も痛みもなく簡単です。
※参考文献
http://www.nirs.go.jp/report/nirs-news/9807/hik6p.html