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bQ6800
平成17年12月号00
00東京都ラベル印刷協同組合
00111-0051 東京都台東区蔵前4-16-4
編集:広報・情報システム委員会00
TEL(3866)4561 FAX (5821)644300

ラベルニュースbQ68号 メニュー
  ●第8回ラベル関連ミニ機材展盛大に
    RPFに来場者の関心集まる
●青年部が合同勉強会
  環境対応の粘着製品について
  ●業界短信 ●随筆 私と環境問題
  ヤマックス(株) 岡田悟
  ●『企画提案型企業への脱皮』
    を目指して
●こんな話、あんな話
  「御用聞き営業」の家電小売店

第8回ラベル関連ミニ機材展盛大に
RPFに来場者の関心集まる
プレゼンテーションも好評博す

 恒例のラベル関連ミニ機材展(主催・技術環境対策委員会)は、11月12日(土)午前10時より、台東区柳橋の「東商センター展示場」に於いて、14社の出展で盛大に開催されました。
 同展は今年で第八回目を数え、今やすっかり業界の恒例行事として定着しましたが、今回もリンテック、村田金箔、光文堂東京支社、丸伸製作所、タカノ機械製作所、サトー、日本エスアンドエイチ、タック化成、三和技研、三條機械製作所、ケミテックCSS、そして初出展の日本ウエスト、ナカモト、武藤工業の計14社が出展しました。
 各社とも今最も力を入れている新製品を展示し、インキジェットプリンター、バーコードプリンター、ラベル検品機、印刷用各種資材、抜き型、校正機等々に入場者の関心が集まっていました。
 組合が10月より実施したRPF化(固形燃料)の回収事業については、委託契約を結んだ日本ウエストも出展し、会場で熱心に説明を聞く組合員の姿も目立ちました。
 昨年から実施して好評だったプレゼンテーションは、今回も10社が午後1時半より3時まで展示場隣の会場で実施し、各社とも懸命に商品のアピールを行い、ワンポイントセールスに余念がありませんでした。
 また、今年実施された第15回シール・ラベルコンテストの入賞作品展示も好評で、写真のようにルーペで熱心に出来具合を観察する人なども多く、『なかなか見られる機会が少ないので、こうした場で展示してくれることは大変有り難い」という声も多かったようです。
 当日は明け方の雨もすっかり止み、急速に天気が回復、お昼からは入場者が多くなり、従業員を連れた経営者も多く、『大きな展示会は多いが、実際に見たいと思うのはその一部で、会場も遠く、その点このミニ機材展は、見たいものだけが集約されており、じっくり説明も聞けるので毎回来ている』と語っていました。


青年部が合同勉強会
環境対応の粘着製品について
大日本インキ化学のご協力で

 青年部の今年度第二回目の勉強会は、10月19日(水)午後6時半より、千代田区外神田の大日本インキ化学工業に於いて、『粘着製品分野における環境への取り組みについて』と題して開催されました。
 当日は正札シール組合と神奈川青年部も含め、約20名が参加し同社の埼玉工場タック技術本部粘着加工技術グループマネージャーの向後勇一氏より、環境に配慮した粘着製品や非PVC素材、エマルジョン系粘着材などについて説明を受けました。
 主に室内空気汚染物質(VOC)が原因で健康障害を起こす背景や、各業界の動向などが説明されました。
 こうした環境問題に配慮したスーパーエコサイクル、エコサイクルシリーズ、接着性と再剥離性を併せ持つ、ニューエコサイクルの商品説明をしていただきました。
 同社では「今後すべての商品に対して環境に配慮した商品に切り替えていく方針で、価格のほうも現在特別価格にて提供している』とのことでした。
 勉強会終了後、懇親会が持たれ、その場でも活発な意見が飛び出し、青年部員の環境問題への意識の高さが伺えました。

環境対応型の粘着製品について勉強会


業 界 短 信

協賛会へ2社加入

 11月より協賛会に丸昌化学工業鞄結梔c業所と潟~ヤコシの2社が新たに加入しました。

■丸昌化学工業株式会社東京営業所
代表者 水谷隆彦  所長 天満弘一
住所 〒130−0026 墨田区両国2−20−12 ライオンズステーションプラザ両国1202
電話 03−5638−7810 FAX 03−5638−7820

■株式会社ミヤコシ
代表者 板倉里志
住所 〒275−0016 千葉県習志野市津田沼1−13−5
電話 047−493−3854 FAX 047−493−3071

FAXが変更 フジタ印刷

 フジタ印刷(田中健二社長 東支部)は、このほどFAXが下記の通り変更となりました。
新FAX 03−3866−5568


随筆 私と環境問題
ISO14001取得から学んだもの
『もったいない』を企業も重視へ
ヤマックス(株) 岡田 悟

 弊社の埼玉工場は、平成15年1月環境ISOを取得の為活動を開始しました。前年、大阪本社が取得済のこともあり、多くの規定・手順・情報が容易に入手できた事は取得に際し助けられました。その年の12月には取得という結果でした。その後約2年が経過し、環境に関し多くを学ぶ事が出来ました。
 昨今のニュースでも多々取り上げられる地球環境の悪化、その例は、CO2による地球温暖化、フロンによる紫外線の悪影響、PCBによる生物への悪影響と地球規模の大きな影響から、又身近な例では廃棄物の不法投棄、有害物質による土壌汚染、窒素酸化物などによる大気汚染・・・ これらを防止する為、法律・条例・規則等が作られ、企業(事業所)の役割が求められています。
 さて、私自身ISOを推進する際、多くの時間と労力を費やした事柄は「環境に関する法律」でした。関連する法律の書籍を購入し、自社の工場の何が適応するか確認するのに手間取りました。
 結果として28件の法律・条例などを取り上げ、自社の現状においては14件が該当しました。
 該当する法律の順守の手続きは市・県・国への「届出」による事が主で、その用紙入手、記載、届出にも手間をとられました。しかし最近ではネットを介し処理が出来る利便性も出てきたようです。
 又、最近の動きとして欧州におけるRoHS指令(欧州への特定有害物質の輸入規制)の影響で自動車関連・電機関連等の業界が協力メーカーの納入に対し、「グリーン調達基準」などで有害物質に規制を行うなどしております。
 埼玉工場においても、これらに関する規制・協力要請・調査が各社から来ている状況です。やはり順守として「調査・回答」が必要とされます。
 また、環境に関する他の事例で、ケニアのワンガリ・マータイ氏という政治家を取り上げます。環境に功績があり、2004年にノーベル平和賞を受賞された人物ですが、「アフリカではプラスティックが一度使っただけで廃棄されるなど、多くの『もったいない』例がある。『もったいない』という概念を世界に広げたい」と述べたそうです。
 そして、この「もったいない」という言葉には、「リデュース(ごみ減量)、リユース(再使用)、リサイクル(再利用)」が含まれているとも述べています。
 環境に関し考える際、日本人の受け入れやすい感覚としては、この「もったいない」の考えかたに近いような気がします。
 物を大事に扱い、修理などし、永く大切に使うというのが本来の美徳だと思います。然しながら、時代の変化で「使い捨て」、「新しい物への要求」、「取り残されないように」という事で、美徳が少しづつ変わってしまったのだと感じます。
 法律を識り、守る事は、企業(個人)として重視されています。
 また「もったない」事を理解し、実践する事も企業(個人)として重視されればと思います。
 環境に関わるようになり、法律とモラルの対比があるように感じます。決め事を守り確実に進めていく「安心(法律上)」と人の持っている心の曖昧な約束で進めていく「安心(道徳上)」、どちらも環境を守るため必要と思います。



『企画提案型企業への脱皮を目指して』

■デジタル化、IT革命はビッグチャンス

 印刷のデジタル化、コンピュータ化は、エレクトロニクス技術の革命によって、ここ10年で目覚ましい進歩を遂げてきており、パソコンとカラープリンターを組合わせたラベルプリンターがエンドユーザーに導入され、簡単なシール・ラベルなら社内で印刷できるようになっているが、こうした傾向は今後もさらに強まることが予想されている。
 こうしたデジタル化、コンピュータ化に対応するために、パソコンの導入やインターネット、印刷機の更新をしている業者も多いが、こうしたラベルプリンターのエンドユーザーへの導入を嘆くのではなく、むしろ積極的に自社に導入して新たな市場を掘り起こそうという動きもある。
 まず我々がパソコン、カラープリンターを導入して、それを使いこなしことと、顧客の所でラベルを作った方が良ければ、そのシステム、ノウハウと無地のラベルを提供していくのもひとつの方法であり、すでにこうしたやり方をしている業者もいる。
 IT革命によってマイナス面ばかりを見つめるのではなく、むしろ業種の垣根がなくなり、さらにはビジネスの世界では国境さえもなくなる事態になった訳であるから、これをむしろ小規模企業にとってはビジネスチャンスと捉えていかなくてはならない。
 テレビコマーシャルではないが、インターネットで世界中から注文が入って来る時代はすでに始まっている。インターネットの世界では企業規模や地域性などは何の障害にもならない。シール印刷業者の中には、ホームページを開設している組合員も少なくない。これをうまく利用すれば、何も営業マンがいなくても、画面上で社長が世界中に情報を発信できるのである。これがIT革命の革命たる所以である。
 今回の組合員調査でも、約半数の組合員がインターネットを開始したと回答しているが、今ならまだ同じスタートラインに立てるはずである。新しい印刷機を導入するコストに比べたら、インターネットははるかに安い投資コストで済むのである。
 インターネットビジネスは、まだ始まったばかりであるが、それだけに利用次第では、無限の可能性を持っており、今回のエンドユーザー調査では、インターネットによる情報の収集は、わずか7%に過ぎなかったが、ここ数年でこの比率が急速に高まることは必至で、インターネットビジネスの世界でなら、大企業も小規模企業も対等に戦えるチャンスがある。そして、そのための体制作りが今いちばん急がれているのである。
 IT化とはシール・ラベルビジネスのeコマース化ではない。前述の一番先に入ってきた最新、最重要なインフォメーションを、どのように顧客のお世話に役立てるか、そのシステム、テクノロジーが大切なのであって、これなくしてはシール印刷業のIT化は有り得ないのである。

■21世紀は人財力で差がつく

 シール印刷業界も代替わりが進み、二代目、三代目の経営者が目立つようになってきた。昔、大阪の繊維問屋の中心地であった船場では、『親苦労、子楽、孫仕舞い』という、言い伝えがあり、三代続いた老舗がなかったという。
 つまり、創業者である親が苦労して築いた会社を、子の代になってからは、親の残してくれた蓄えと、親の時代の番頭さんによって、何とか遊んでいても食べてはいかれるが、孫の代になると蓄えも底をつき、ついには店仕舞いということになると言うのである。
 経営の基本は何と言っても『人作り』『客作り』『物作り』である。そのためのすべての判断基準になるのが、『人として何が正しいか』ということで、経営者の思想、哲学、価値観、ビジョンが大事になってくるのである。
 伸びる会社は社長の理念に全社員が共鳴していることであり、そのためには人財育成に心血を注がなくてはならない。企業を生かすも殺すも、ひとえに人財をいかに育てるかにかかっているのである。
 よく『うちには人材がいなくて困る』と嘆く経営者が多いが、人材は育てる努力をしなければ決して一人では育ってこない。人材がいないのではなく、育てる努力をしていないだけである。まさに『育成の努力なくして人材なし』である。
 どの企業にも社員がいる限りは人材はいる。しかし、その人材が『人財』になるか否かは、経営者の育てようとする意欲と努力の結果に他ならない。企業は人なりというが人を育てるためには長い時間がかかる。
 伸びる企業はやはり人財が揃っている。企画提案型企業への脱皮を図るにも、やはり人を育てる努力をしなくてはならない。なぜ、いま企画提案型企業なのか、企画提案型企業とは何なのかを、経営者自らが社員に語り、企業の将来ビジョンを提示しながら、人を育てていく努力が今こそ望まれているのである。

■協同組合の役割も、時代とともに大きな変化が

 今回の調査結果に基づいて、今後組合として何をなすべきかも、大きな課題である。一社ではできないことでも、団結することによってそこにメリットを生み出すというのが、協同組合の原点であり、精神である。しかし、時代とともに協同組合の役割にも変化が見られている。
 特にシール印刷業界の協同組合は、セルフラベル特許の共有・管理という、他の業界には見られない形態をとったために、特許の管理や大手印刷業者の参入を防ぐことに重点が置かれた。その特許は業界の量的な拡大には多大な貢献をしたが、質的な面では問題がなかったとは言い切れない。これをセルフラベル特許の功罪という言い方をする人もいるが、この言い方は当らない。なぜならば特許そのものに功罪があるのではなく、問題はその特許をどのように利用したかである。
 かつてある大手企業の社長が、自社の営業方針を批判された時に、『セルフラベル特許は突然失効したのではなく、昭和51年5月に失効することは誰でも分かっていたはず。当社はその日を見越して15年間、血を吐くような努力を続けて今日に至った。その間、特許という温室の中で、何もしないで、ヌクヌクとしていた者に批判されるのはお門違い』と語ったが、同じ轍を踏んではならない。
 国はこれまでの中小企業政策を大幅に転換し、『中小企業経営革新支援法』によって、やる気のある企業に対しては支援するという方針を打ち出している。すでにシール印刷業界でも数社が計画を申請し、認可されている。
 しかし、問題は小規模・零細企業であって、こうした支援策にもなかなか手を挙げることのできない企業を、組合としてどうしていくかである。
 今回の企画提案型企業への脱皮を図ろうとする組合員に対して、組合としてどんな手助けができるのか。例えば営業努力によって、シール・ラベルのついでに、他の印刷物や包装資材を受注してきた場合に、その仕事をどこでやってもらえるのかといった問題を、組合としてどうするのかを検討しなくてはならない。
 一昨年にスタートした『作業交流一覧表』などをさらに充実させ、ネットワーク作りも急がれるだろう。これまでの様に一方的に情報を送りつけるだけでなく、組合員の声にも耳を傾けながら、21世紀という新しい時代に相応しい組合作りを模索しなくては、組合離れに歯止めはかからないかもしれない。
 組合員のニーズも時代ともに多様化しているが、幸いにも青年部を中心とした若手グループが、組合や業種の垣根を越えたネットワークづくりを進めており、すでに成果を出しているケースもあり、ここに一条の光を見出だすことができる。

 今回のエンドユーザー調査を通して、余りにもエンドユーザーと我々との間の溝が深いことが明らかになったが、ほんのちょっとした努力で、この溝が埋めることができるのなら、我々はその努力を決して怠ってはならないはずである。

(終わり)


こんな話、あんな話

 このコーナーは、一般紙や業界紙などに掲載されていた、ちょっと面白い話、ためになる話を紹介するコーナーです。今回は中小企業ネットマガジンの巻頭コラムに掲載されていた「御用聞き営業で事業分野広げる家電小売店」と題したレポートです。

 ☆巻頭コラム☆
 「御用聞き営業」で事業分野を広げる家電小売店

 ◆今、地域の中小家電小売店の多くが、厳しい状況にあるといわれる。そうした中、峯田電器(株)(山形県東村山郡山辺町、従業員24人)は、昔ながらの「御用聞き営業」のノウハウを活かし、成長を続けている。
 ◆同社では、営業担当者が1人1000戸ずつを受け持ち、1月に1度のペースで訪問している。顧客のニーズに合った商品を積極的に提案するだけでなく、蛍光灯が切れていれば取り替え、お年寄りの話し相手をすることもある。いわゆる「御用聞き営業」だ。峯田季志社長は、顧客の立場で親身になって考えることをモットーに、社員と共に顧客との関係を築いてきた。
 ◆こうした「御用聞き営業」の手法は、今も昔も基本的には同じである。しかし、商品構成は、最近5年間で大きく変化した。実は現在、介護用品、住宅リフォーム、太陽光発電装置、家庭用融雪装置といった家電以外の商品の売上が、同社の年商の半分近くを占めているのだ。
 ◆きっかけは、量販店の進出だった。店の将来に危機感を抱いた峯田社長は、顧客の立場で考えるという基本に立ち返った。その時気付いたのが、顧客の話には、「台所のリフォームを考えている」「おじいさんにベッドを買おうと思っている」と、家電製品にとどまらないニーズが隠れていることだった。それまで、「うちでは売っていないから」と聞き流していた情報から、新たな商品多様化の戦略を見出したのである。こうして同社は、電動ベッドや車いすといった介護用品を皮切りに、家電以外の商品を次々に取り入れ、営業担当者を増やすことなく、売上を伸ばしていった。
 ◆同社の成功の秘訣は、長年の「御用聞き営業」で培った顧客との絆を活かしながら、自らを「家電小売店」という商品カテゴリーでの位置付けから、「御用聞き先のお客さまのためのお店」という顧客ベースの位置付けに変えたところにある。それによって、「御用聞き営業」という同社の強みを最大限に活用したのだ。不振にあえぐ多くの専門小売店にとって、このような発想の転換は、一つの対応策として大いに参考になるに違いない。