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No.325  
平成23年3月号  
  東京都ラベル印刷協同組合
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編集:広報・情報システム委員会  
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ラベルニュースbR25号  メニュー


●組合初のパネルディスカッション盛況裡に ●今期最後の東支部会が盛大に開催
●印青連が十周年記念 ●久保井伸輔氏が代表取締役社長に
   久保井インキ(株)
●第45回通常総会・5月23日(月) ●経済産業省が平成23年度から実施
   「知財総合支援窓口」を全国に
●日本ウエストのRPF

組合初のパネルディスカッション盛況裡に
「売れぬ呪縛から、知恵を出し合い脱却を!」
三位一体の営業力強化で活路を

組合初の試みであるパネルディスカッションが、2月22日(水)午後6時より秋葉原の東京都中小企業振興公社秋葉原庁舎会議室において「シール・ラベルの売る仕組み実践 売れぬ呪縛から知恵を出して脱却しよう」をテーマに開催されました。パネラーは、シール印刷業界を代表して(株)日本ラベル代表取締役社長の平山良一氏、タック紙メーカーを代表してリンテック(株)情報材事業部門長の盛本純郎氏、印刷機械メーカーを代表して(株)恩田製作所代表取締役社長の恩田博氏、そして清宮企画代表の清宮和夫氏をコーディネーターにして、約2時間にわたって活発な討論が行われました。

 今回のパネルディスカッションは、三年前から清宮和夫氏を講師に開催している「いかに創るかから いかに売るかへ」と題したセミナーの集大成として企画されたもので、参加者の多くは、何とかこの閉塞感から脱却したいという思いが強く、そのヒントを探すために、このパネルディスカッションに参加したという方が多かったようです。
 このパネルディスカッションの詳細を、今回と次回に分けて掲載します。



清宮和夫氏


平山良一氏


盛本純郎氏


恩田 博氏

清宮:最近の日経の記事などによると、リーマンショック以降低迷していた経済もいくらか立ち直ってきたのではという雰囲気もありますが、リンテックさんは、そのあたりをどう捉えているでしょうか。

盛本:実際に企業業績自体はよくなってきています。
良いといわれている所は輸出であったり、海外に拠点を持ってグローバルに展開しているところです。ただ、連結決算ですから日本で利益を落としますから、大手の利益自体が上がってきているとは思えません。決してマイナス要素ではないとは思っています。
一月、二月は景気が悪くなると言われていましたが、現実にはそんなに落ち込みもなく、そこそこのレベルできていますので、今年一年明るいとまでは言いませんが、今まで見たいな苦しさはないんではないかと思っています。

平山:大手はコストダウンを達成しているから利益が出ているのではと思います。私どもに大手さんからコストダウンの要求が非常に強いんです。つまり大手はコストダウンができるから利益が出る。しかしシワ寄せは我々に来てしまう。
もし、伸びているとすれば新たな分野です。従来のものはコストダウンの要求が厳しくて伸びていない。

清宮:最近は同業者から「仕事量が減っている」という言葉が多く聞かれましたが、それをタック紙の生産量から見るとどうなるのか。お手元の資料の粘着紙統計を見ますと、上質紙は2009年下期を底として、回復基調にあることが分かります。それを皆さんが実感として感じているかどうかは別として、統計ではそういう数字が出ている訳です。
フィルム類も数字的には回復していますし、このことから間違いなく日本のラベル市場は回復したという基調です。

盛本:我々はシール業界で粘着材料を販売しておりますが、傾向としては下期の方が売り上げが増えるんです。これは年末需要だとか年度末の三月だとか、やはり十月以降の方が出荷額が多いというのが今までのパターンです。
ところがリーマンショック後は傾向が変わっていまして、本当に下期型なのかなと疑問がわいている次第です。特に今期は夏が非常に暑かったということで、そこそこ数字が伸びています。ところが暑いのが続きすぎて、秋物の仕事が吹っ飛んでしまった。当社でも九月の売り上げはかなり落ち込んでしまった。そういう意味では今年のトレンドとしては下期型ではないのかなとも思っています。
またこの数字に隠れていることが一つありまして、大手のOSPさんは自社塗工をしていますが、その数字がこの統計には入っていません。ということはここにプラスされてきますから、OSPさんの出荷量というのは分かりませんが、ここにプラスされれば、2007年とほぼ同等か、むしろそれ以上に伸びていると思います。
フィルムもゆっくりではありますが、PETなどは回復してきていますし、合成紙は逆に伸びていますし、粘着材料の出荷ベースでいきますと、ラベルとしての仕事量は増加しているんではないかと思えます。数字としては伸びているんですが、皆さんが実感として感じられないというのが現状だと思います。

清宮:数字は伸びているんだが、我々ベースではそれを実感できていない。それはどこに理由があるのかを考えていきたいと思います。資料にもありますが、中小企業の機動力、意思即断力、ホットなサービス、このあたりが今後キーワードになってくると思います。

平山:中小企業というのはある程度独断で決められますが、しかしその判断が正しいのか、間違っているのかは怖いところがあって、やろうと決断して後で失敗したという経験は、私も何度もしています。利点、欠点はあると思いますが、機動力はあると思いますので、どのように決断して、それを活用して上に結び付けられるか考えていきたいと思います。

清宮:これから求められているのは、社長の決断力です。決断力とは何かといえば、これは実行力ですから行動するということです。昔は「行動」と書きましたが、今は「考動」と書き、考えて動くということが求められています。そうすれば大きな機動力が発揮できると言われています。
次のテーマは、粘着紙、機械、ラベル会社の三位一体の関係深化ということです。今また要求品質の高度化、厳密化が必要になってきているのではないかと思います。ISO、GP、HACCP、GMPなどという新たな要求が出てきています。また、最近ではジャパンカラーなどという言葉も出てきていますが。

恩田:ジャパンカラーというのは、印刷業種ごとにあり、たとえば新聞の印刷の標準色、またオフセット、グラビアもジャパンカラーというものが設定されています。シール・ラベルの方ではまだジャパンカラーというのは一般的ではないのですが、すでに認定制度が始まっており、印刷機などの条件が変わっても、いかに同じ色を再現できるかというのが認定制度です。

清宮:これはまだシール業界ではなじみが薄いのですが、今後お客さんのデザイナーさんからこの言葉が出るかも知れませんが、知識として知っておいた方がいいと思います。あとは環境負荷の問題もありますが。

盛本:最近は検品機などの普及で品質がひじょうにうるさくなってきました。
紙というのは必ず狭窄物は入るんです。ところが印刷業者さんで刷られたラベルで、狭窄物が黒い点になってしまって返品になるというケースが、ここ最近増えています。
狭窄物がないものを使えと言われたら、紙をやめてフィルムにして下さいというお願いをしなくてはならない。そういう事をユーザーさんに説明するために我々をうまく使ってほしいと思います。それと環境負荷の問題に関しましては、特に欧州ではRoHS(ローズ)、REACH(リーチ)という環境負荷物質の規制が厳しくなってきて、ありとあらゆる所でデータの提出を求められています。各メーカーさんやディーラーさんを通じてデータの提出は行っていますので、うまく利用してほしいです。

平山:確かに安全性を求められるケースは多いのですが、怖がる必要もなければ、逃げる必要もないと思います。いまメーカーに依頼すれば紙もインキも安全シートを提出してくれますから、ISOやGPを取っていなくても、まったく恐れることはありません。

清宮:また最近地方の業者が東京に営業者や支店を作って進出しているケースが目立ちますが。

恩田:確かに最近は東京に営業所を作る地方の業者や、中国に進出するという業者が目立っています。特に東京営業所を作っている会社は、結構拡大しているようです。私どもも時々「今度東京へ出たいんだけど、どんな状況か教えて下さい」という話もあります。
地方である程度の規模まで会社が拡大していった時に、その地方だけの仕事では、機械がフル稼働しなくなってしまう。そういう時に東京へ進出して、東京の仕事を取って地元で印刷して配送するというケースが多いです。これだけ地方の業者さんが東京へ進出されているということは、東京の業者さんにも、もっと頑張って戴きたいですね。
東京の市場は魅力があると見られている訳ですから。東京に進出して撤退したという話はあまり聞いたことがありません。

盛本:東京に進出されて撤退したという会社は、当社のチャンネルでも聞いたことがありません。これは東京の商圏というのは大きな市場であって、東京の業者と地方から進出した業者が、バッティングしてもめたというケースはほとんどありません。
しかし一昨年位から景気のせいで、多少バッティングしたという話はあります。まだまだ進出しようとしている会社は沢山ありますし、魅力のある市場ということです。

平山:私どもではこの八年間でお客の件数が約二割ほど減ってしまいました。この原因は何かと分析したところ、営業の担当者がアクションをかけないで、ほったらかしにしていた。知らないうちに無くなっていたというのが実態です。

(次号に続く)



今期最後の東支部会が盛大に開催
新規加入の組合員迎え情報交換を

盛り上がった今期最後の東支部会

 今期最後の東支部会は、2月23日(水)午後6時より、「上野市場御徒町店」において組合員14名が参加して開催されました。
 臼井利彦副支部長の司会で、初めに弓納持理事長が「居絵は今期最後の支部会ですが、新組合員も参加して頂いていますので、大いに意見交換をしていただきたいと思います」と挨拶し全員で乾杯しました。
 今年1月より組合へ加入した(株)旭物産営業部の山ア俊氏が紹介され、同社の会社概要や商品についてサンプルを配布して紹介した後、紹介者の大進ラベルの藤井崇徳氏も同社の商品紹介をPRしました。
 さらにこの後、出席者全員が自己紹介と自社の近況報告を行い、厳しい不況の中にあっても、たくましく頑張っている仲間の姿に触発されて、自分も頑張らなくてはと、元気を貰ったと喜ぶ組合員もあり、今期最後の支部会は大いに盛り上がりました。
 また、本間敏道専務理事が、来年10月に年次大会を当組合が担当して開催することになり、10月19日に浅草ビューホテルを仮予約しており、組合員の皆さんの全面的な協力をお願いしたいと呼びかけました。
 最後に松本一男相談役の音頭で寝全員で一本締めを行い、8時半過ぎにお開きとなりました。



印青連が十周年記念
式典・講演会などを続

印青連10周年記念パーティ風景

 印刷産業青年連絡協議会(会長・宮坂次郎氏)は、2月26日(土)に、新宿の京王プラザホテルに於いて創立十周年記念式典を開催、会員、来賓などを含め140名が参加しました。
 午後4時からは記念式典が行われ、引き続き記念講演として(株)円谷プロダクション特別顧問(前社長)の、森島恒行氏が「進化するメディア」と題して講演を行いました。
 講演会終了後、別室において記念パーティが開かれアトラクションで盛り上がり、最後に参加者全員で記念撮影を行い、午後8時過ぎにお開きとなりました。



久保井伸輔氏が代表取締役社長に
久保井インキ(株)

 久保井インキ(株)では、このほど開かれた取締役会において、代表取締役社長の久保井祐輔氏が、取締役会長に就任、後任に久保井伸輔氏が代表取締役社長に就任しました。



第45回通常総会・5月23日(月)

総会への参加は組合員の権利です。
会場:日暮里・ホテルラングウッド



経済産業省が平成23年度から実施
「知財総合支援窓口」を全国に


画像をクリックするとPDFファイルで開きます。

 経済産業省では地域の中小企業等における特許等の知的財産支援は、利用する中小企業等からみると「適切な窓口がわかりづらい」、「知的財産は専門性が高く相談に行きにくい」といった声に応え、中小企業等が企業経営の中で抱えるアイデア段階から事業展開までの知的財産に関する悩みや課題を一元的に受け付け、知的財産に携わる様々な専門家や支援機関と共同してその場で解決を図るワンストップサービスを提供する事業を平成23年度から実施する予定。

■事業の目的
中小企業等が企業経営の中でノウハウも含めた知的財産活動を円滑にできるよう、アイデア段階から事業展開までの一貫した支援や知的財産を活用していない中小企業等への知的財産マインドの発掘を行い、地域ごとに中小企業等が抱える知的財産に関する悩みや課題をワンストップで解決できる支援を行うことによって、より多くの中小企業等の知的財産活用・事業化促進につなげ地域の活性化、ひいては我が国産業の国際競争力強化を図ることを目的としている。
■事業の概要
都道府県ごとに"知財総合支援窓口"としてワンストップサービスを提供する窓口を設置し、対応する人材を配置して知的財産に関する支援を行う。主な内容は以下の通り。



日本ウエストのRPF
品質保証機構で展示

 日本ウエスト(長田和志社長)では、平成22年7月8日付で、『日本で第一号』となるRPF(固形燃料)の品質規格『JIS Z7311:2010』四等級全ての規格を取得したが、この度、東京千代田区丸の内の三菱ビル地下1階、財団法人日本品質保証機構展示コーナーに、同社のJISマーク表示品である製品(RPF)が2月1日から一ヶ月間展示紹介(写真)されました。



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