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No.331 |
平成23年9月号 |
東京都ラベル印刷協同組合 〒111-0051 東京都台東区蔵前4-16-4 |
編集:広報・情報システム委員会 TEL(3866)4561 FAX (5821)6443 |
恒例の組合研修旅行を開催 | ↑ |
東北復興支援のために福島県で 組合員・協賛会など24名参加 | |
セミナーを開催 「ここ最近の、ユーザーの過剰な品質要求にどう対応するのか」 をテーマにグラビア業界の例を勉強 | |
恒例の組合研修旅行は、8月27日(土)、28日(日)の二日間に亘って、福島県の郡山市に於いて、組合員・協賛会など24名が参加して開催されました。例年は6月に開催している研修会は、今年は3月の震災の影響で、開催を見合わせていましたが、こういう時期だからこそ、東北で開催をという声に押されての開催となりました。
福島県郡山市で開催された恒例の組合研修会風景
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毎年恒例となっている組合研修旅行は、例年6月の開催で、今年は山梨県石和温泉での予定でしたが、3月の東日本大震災の影響により、一時は開催を見合わせることになっていましたが、「こういう時期だからこそ普段通りに、東北の地で開催し、復興支援の一助にでもなれば」という声が強かったために、急遽福島県郡山市での開催が決まったものです。
組合員・協賛会の一行24名は、8月27日(土)午前9時に上野駅前からバスで出発、福島県郡山市の磐梯熱海温泉の「清稜山倶楽部」に向かいました。
到着後午後2時より会議室に於いて、全国グラビア協同組合連合会の村田英雄専務理事を講師に『ユーザーの過剰な品質要求にどう対応するのか』をテーマに研修会が行われました。(講演内容要旨は別掲) 講演会終了後、午後6時より懇親会が開催され、挨拶に立った弓納持理事長は「ここ福島で開催したことが、復興支援のためにいくらかでもお役に立てたのであれば、こんなに嬉しいことはありません。講演会もシールとグラビアという違いはあれど、基本的には共通した悩みを抱えているということが良く分かりました。今日明日は大いに英気を養っていただき、また月曜日からは仕事に頑張りたいと思います」と語りました。
続いて協賛会の恩田博副会長が「本日は私ども協賛会をお招き頂き有難うございます。厳しい時代ではありますが、今後とも共存共栄で頑張っていきたいと思います」と挨拶し、全員で乾杯、和やかな歓談となり、午後8時過ぎに松本相談役の音頭で三本締めが行われ、お開きとなりました。
翌日はいつも通りゴルフ組(11名)と観光組(13名)に別れ、ゴルフ組は磐梯熱海ゴルフ倶楽部で第96回ラベル会として開催され、日本ラベルの平山良一氏が優勝しました。
また、観光組は塔のへつり、大内宿、鶴ヶ城を見学ゴルフ組と合流し、午後8時半に上野に到着しました。
組合研修旅行講演会(要旨) | ↑ |
過剰品質から見た環境への影響 『環境・品質・コストの調和と安全・安心』 | |
全国グラビア協同組合連合会 専務理事 村田 英雄 | |
今回ラベル組合さんから講演のお話があったのは、私どもの田口会長が「中小企業だより」に書いた、むしめがね品質の記事を、弓納持理事長が読んだことがきっかけだと聞いております。
その前に私どもの軟包装業界の市場規模についてお話させていただきます。
2009年度でコンバーター600社で、8,777億円です。コンバーターと言うのは、フィルムを仕入れてそれを印刷してお客に収める業者の事で、大手のコンバーターと言うと、大日本、凸版ですが、それを専業でやっているのが我々業者です。
全体の売上の内、大日本、凸版の二社で2,680億円、実に全体の30%を占めているわけです。そして上位69社で全体の九割を占めているわけです。
上位69社の内、軟包装の比率が五割以上を占めるいわゆる専業は51社。69社の内、印刷を本業としているところは25社、フィルムを本業としているところが44社となっています。
全国に175の業者がいますが、平均従業員数は50名です。平均売上規模は20億円。
品質への取組みについては、1999年に関東グラビア協同組合で、品質の基準作りをすることに賛成しますか、という実態調査をしましたが、19社の回答の内、賛成が15社、反対が4社でした。
- ロス削減が『省資源、環境対応』に直結
- 14年前に我々組合は「私達は『省資源、環境対応』を経営の基本理念に取り入れ、日々の企業活動を行います」という宣言文を出しました。
この中では最近のロス率の増大が大きな問題となり、ロス率の増加はそれだけ廃棄物を増やしているわけで、地球全体から見た場合、大切な地球資源を浪費し、産業廃棄物を生産していることになります。
私達は『ロス削減』を追及することが表題に記した「省資源、環境対応」に直結する重要な課題であると考えています。
ロス発生の原因を分析してみますと、大別して次の四項目に分類できると思います。
1.原反、インキ、版、等の購入資材の不良によるもの。
2.印刷、ラミネートなどの加工技術の問題によるもの。
3.デザインの無理が原因となっているもの。
4.受け入れの品質設定がグラビア印刷の精度限界を超えている場合。
そして2年後に日本印刷学会に取り上げていただきまして、私どもの田口会長が『印刷ロスと品質基準、印刷ロス率の上昇とその対策』と題して講演をしました。
1万枚納品した内5枚悪かったよ、あるいは10万枚収めたら10枚悪かったよということになると、すべて持って帰ってくれと言うことになります。10枚しか悪いのはないのに、10万枚すべてがごみになるわけです。
また、中身が水物の物もあります。シールをするわけですが、これをどうやってお客さんが検品すると思いますか。靴のかかとで踏んだり、床に叩きつけるんです。それで水漏れがないかをチェックするんです。
機械で検品するんではないんです。考えられないような検品方法でやっているんです。
当然水が漏れれば作り直しです。中にはフィルムが破れてもアウト。しかし、フィルムの性能と言うのは、最初に設計の段階でお客さんとの間で決めているわけですから、それは我々の責任では有りませんよと言ってもだめです。かかとで食べ物を踏むと言うことはないでしょうと言っても、通用しないんですね。
- グラビア業界は3Kではなく4K業界
- グラビア印刷業界は、3K業種と言われています。半やシャフトは重たいですし、みんな腰をやられます。用材を使うから工場内は臭いです。まさに汚い、臭い、キツイの3Kです。
田口会長はさらに4Kと言います。それは何かと言いますと、『過当競争』『過重労働』『過剰品質』『過負荷』の4つなのです。
今プラスチック包材の年間使用量は160万トンにも及びます。そのうちのかなりの量がごみになっています。
そのために印刷基準としての見本を作製しようということになりまして、具体的には、標準光の下で一般人が50cmから1m離れて感知できるか否かがおおよその基準でいいんじゃないですか。虫メガネを持ってきてみるお客さんはいないでしょうと言ってもだめです。
立会いに来るデザイナーさんがルーペを持ち込むんですね。それでドットがちょっと狂っただけでいちゃもんをつけるんです。たまったものではありません。
昨年実施したアンケート調査では現在要求されている印刷品質について、どんな典が厳しいかをたずねたところ、『消費者が問題としないような品質追求を強いられる』がもっとも多く、次いで『品質要求を満たすためには、高価な設備が必要となる』『要求品質を満たすには工程数が多くかかりすぎる』『技術的に難しい』と続いています。
さらに消費者が問題としないような品質追求について列記してもらったところ、何回も出てくるのがカブリの問題です。例えば『1枚にしたらぜんぜん見えないのに100枚重ねたら見えるよ。これで返品を受けた。これはどうしても納得がいかないよ』と言うのがありました。
シール業界にも検品機というものがあると思いますが、いま私どもの業界では欠点検知器を導入していないものは受けらないと言う業者が多いんです。
我々の仕事は4千m巻きが多いのですが、全部データを付けなさいというんです。そして欠点検知器も最新式のものでなければだめだという。耐用年数は7年ですが、7年前の物ではだめだと言うんですから、また新しいものを入れなくてはならない。
検知器は1台2千万円以上しますから、全体で1,500台あると言われていますので、トータルでは300億円以上の投資をして、そしてその結果としてロスが増えているわけです。
田口会長が10年ほど前にヨーロッパに視察に行ったときには、VOC処理機は全部付いていたそうですが、欠点検知器が着いている現場は見たことが無かったと言っています。
- 年間240億円がロスとしてゴミに
- 印刷ロスの中で良品とみなされてしかるべきものは年間6万トンに上るといわれています。1トン40万円とすれば240億円です。
これらは山に埋められたり、ほとんど利用価値のないような形で世間にご迷惑をかけています。中には掘り出されて、メーカーに電話が入り、現状復帰にお金が1件100万円以上かかったとかいう話もあります。
クレーム・返品の内容でもっとも多かったものは。印刷物の『色調・濃淡』に関するもので27%、次いで『印刷汚れ』が13%となっています。
その他のクレーム・返品の内容は、発生の割合は小さいものの、原材料、印刷技術、印刷物の仕様、品質基準、印刷企業と発注者間の対応などの多岐に渡っています。
クレーム・返品の対応については、『再印刷・再納品』これが圧倒的に多いですね。
それと『値引き対応』ですね。また、将来的な対応としては印刷業者の『検査強化』がもっとも多く、次いで『事前打合せの徹底』『発注者への理解・協力要請』となっていますが、印刷業者の対応のみでなく、発注者とともに取り組む内容が多くなっています。
品質とは何かといいますと、『品質』とは顧客が支払う『対価』に対する『価値』のことで、したがって『品質』は相対的なものなんです。一般に『品質』は顧客が決定し、生産者は『品質』を決めることはできないんです。
つまり、いい、悪いは我々が決めることはできないんです。これはひじょうに難しくて、例えば品質のレベルを落とすと、誰でもできるようになってしまう。品質が高いと異業種の参入ができません。ですから品質を落とすということは決していいことではないんです。
- 品質基準を落とせば異業種の参入も
- 我々の仲間に光沢加工業界がありますが、ここも溶剤を使いますので、我々と同じでVOCを出す業種でした。しかし、小規模が多くてなかなか対処ができなくて困っていました。
そのうちラミタックというものが開発されて、フィルムに糊を塗って、熱をかけて圧力で張り込めるフィルムができました。これですと熱圧着ですから、VOCも出ません。
そうしたら印刷屋さんが自分のところでやるようになって、光沢加工業者に仕事を出さなくなってしまったんです。設備も安いから自分の所でインラインでやってしまう。
今までは光沢加工と言うのは、そういう複雑な作業だったから、嫌がって外注に出していましたが、これが出来たので光沢加工に仕事が流れなくなってしまった。ですからあまり簡単に出来てしまうと、こういうことも起こりうる訳です。
次にクレームの発生元についてみますと、中間業者が最も多く、問屋、商社、ブローカー、大手コンバーターなどですが、問屋さんなどはお客さんが文句をつけていないのに、当然収まる範囲のものではアウトにしてしまうケースもあります。
次いで食品会社ですが、中にはパートさんに不良を見つけたら、報奨金を出すなんてところもあるようですから、パートさんも血眼になって探すという状況です。
その処理については全量返品、一部返品、全量検品、値引きなどが有りますが、原因については徹底して原因追及を指導しているが、泣き寝入り、取引停止をする会社も少なくないようです。
また、クレームの原因については、印刷では見当不良、色調、汚れ、ドクター線、異物混入で、フィルム、ラミネート、二次加工では、ラミ不良、シール不良、スリッター不良、異物混入、指定数量、におい(残留溶剤)等です。
こうした問題解決の一方法として、
■仮に一般人が標準光のもとで1m離れて大半の人が感知できないものは良品と扱う。
■色差、汚れ、キズ、ピンホール、ドクター筋、見当ズレ、カブリ等の項目について、検査機器メーカーと印刷会社の共同で一定基準を作り、クライアント側に理解を求めれば、ロスは大幅に減り、廃棄物も減り印刷会社の経営は安定な向い、環境問題の解決の一助となる。
と私どもは考えております。
(平成23年8月27日 福島県郡山市・清稜山倶楽部)
寄 稿:「生命の種」第1回 | ↑ |
健康を維持していかに生きていくか | |
(有)TOOV 篠田ちゑ | |
こんにちは! お元気ですか。
いよいよ管理栄養士の受験開始しました。それと共に、ラベルニュースに一緒に学ぶ時間を作りたいとペンを取りました。
何故いま、管理栄養士なのか、健康に関する物、食物に関する物が多く流れ、また、私は70歳になったら、健康運動指導士という仕事をしたいと思っているからです。
健康指導士とは、第二次国民健康づくり対策(アクティブ80へルスプラン)の事業の一環として昭和63年度から養成。
生活習慣病を予防し、健康を維持、増進するために医学的基礎、運動生理学の知識をもとに運動プログラムの作成と指導を行います。
健康運動指導士は、健康づくりのための運動についてプログラムの作成と、それに基づいた指導を行います。個々人の身体の状況に応じた、運動プログラムを提供できる知識と技能を持ちます。
健康運動指導士は、疾病の治療を目的として、運動指導をするのではなく、生活習慣病の予防や健康増進のための運動指導を行うのです。
なぜ、私は70歳になったら健康運動指導士をやろうと思ったのか。自分の体を自由に動かしたい、自分の意思どおりに動かしたい、自分の体をもっと知りたい等、若い指導士の指導よりも、同世代の指導のほうが、持続して共にやっていけると判断したからです。
健康運動指導士は、医師、保健師、管理栄養士の下にプログラム作成をするためです。栄養士は持っていますが、これではダメなのです。
栄養管理士を取るための過程での勉強ですが、紙上で一緒に学ぼうと考えました。一緒に考えたり、悩んだり等々、共に実践してみませんか。
いまから65年前の1946年、WHO(世界保健機関)の作成した憲章があります。
健康とは、身体的、精神的並びに社会的に完成に良好な状態であって、単に疾病や虚弱でないということではない。
1986年(S61年)末っ子が生まれた年で、24年前のオタワ憲章では、健康とは、人生の目的や生きる目的ではなく、毎日の生活の資源である。健康とは、社会的個人的な面での資源、つまり日常生活のための資源であることを強調する積極的な概念である。
日本では日本国憲法第二十五条『すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国はすべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。』
健康増進法 第二条『国民は健康な生活習慣の重要性に対する関心と理解を深め、生涯にわたって自らの健康状態を自覚するとともに、健康の増進に努めなければならない。』
健康は単に病気ではないだけでなく、例えば持病があっても、時の流れと共に治癒されることもある。身体的、精神的、社会的に良好な状況であれば、健康であると言えるのです。一人一人の健康が、社会の資源であること。基本的人権であり、これに対して国が責任を持つこと。
健康は目的ではないのです。
健康を維持して、いかに生きていくのか奥深い概念なのです。
日々生きていくこと自体、大切な日々なのです。老いている暇などないでしょう。
次回は?
No.98 健康がいちばん! | ↑ |
髪の毛を触るだけで痛い! | |
頭痛とは違う「後頭神経痛」 | |
- ■後頭神経痛とは
- 頭皮がしびれるように痛い、髪の毛を触るだけで痛い。頭皮の後頭部から頭頂部にかけてがズキズキと痛む、という症状がある方。
それは頭痛ではなく後頭神経痛という神経痛の可能性があります。
後頭神経痛とは一体どのようなものなのでしょうか。
頭にも実は神経痛はあります。後頭部を通る神経の痛みを後頭神経痛と言います。この後頭神経痛の患者は意外と多いといいます。
後頭神経痛は頭痛のように頭が痛むのでかなりの不安があると思います。
また、後頭部が痛むため、何かの病気ではないかと検査をする人が多くいます。
そのような場合、後頭神経痛であると問診ですぐにわかる医師がほとんどだと言います。
しかし頭痛は大きな病気の場合もあるため、MRIなどの検査を経て、後頭神経痛という診断が下されることがほとんどです。
- ■どんな症状が
- 後頭神経痛の症状は、後頭部の神経に沿った形で痛みが現れます。痛みの前兆は特になく、頭の表面、頭皮でズキズキとした痛みを感じます。
痛みの大きさは個人差があるようで、何もできなくなるような痛みから髪の毛を触ると痛い、というものまであります。通常は後頭部の片側、まれに全体が痛みます。
・後頭部の一部や全域がズキズキ痛い
・目の奥が痛い
・耳の後ろあたりが痛い
・髪をとかすと痛い
・寝癖で逆立っている髪を戻すときのような痛み
このように後頭神経痛は突発的に現れ、原因が特にわからないまま痛みがなくなることがあります。そして痛みを感じる箇所にはその後違和感を感じることもあります。
- ■症状の出やすい人
- 後頭神経痛になりやすい人は、
・ストレスが多い
・片頭痛や緊張型頭痛と診断されたことがある
・姿勢が悪い
・背骨や脊髄(せきずい)、腰椎などの病気や変形がある
というタイプの人だそうです。
また、夜更かしや労働過多、運動不足気味の人も特に気をつけて、健康的なライフスタイルに戻すように心がけましょう。
軽度の後頭神経痛は、しばらく安静にすれば勝手に引きますが、症状が悪化していけば手術が必要となる場合もあります。
- ■ストレスが根本原因
- 神経痛の原因の多くは体の異常を知らせるものです。仕事などでの肉体疲労や精神的なストレスから来るものがほとんどです。また風邪などで体調不良になっているときなども後頭神経痛は発症します。
このように、ほとんどの後頭神経痛は生活習慣の乱れが原因と言っていいほど身近な病気なのです。ですから、日ごろの生活習慣を正し、後頭神経痛にならないように心がけることが重要です。
しかし、後頭神経痛のように頭に痛みを感じる場合、簡単にただのストレスからくる後頭神経痛であると断定するのではなく、腫瘍や頚椎から来る危険信号の場合もあり得るため、レントゲンやMRIやCTスキャンなどをする場合もあります。
後頭神経痛の治療方法は基本的に疲れを取り、ストレスから自分を解放することにあります。
[参考資料]
http://www.noncolle.com/illness/93.html