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	No.３２６
	平成２３年４月号

東京都ラベル印刷協同組合   〒111-0051  東京都台東区蔵前4-16-4

編集：広報・情報システム委員会   TEL(3866)4561 FAX (5821)6443

  ３月１１日に東北地方と関東の一部を襲った「東北関東大震災」は、未曾有の被害をもたらしましたが、シール印刷業界でも、宮城県などのシール印刷業者に、甚大な被害を与えることとなりました。
  全日本シール印刷協同組合連合会では、３月２４日に開催した理事長会で、東北シールラベル印刷協同組合に対して、見舞金を贈ることを決定しました。
  見舞金は各協組から徴収し(各組合一律三万円プラス組合員・会友数×二千円 当組合は十八万円)、総額二百万円を、小宮山会長が東北の渡邉理事長に手渡すことになりました。
  また、連合会では３月１５日に小宮山会長を本部長とする対策本部を立ち上げ被害状況の調査と納期の迫った仕事への対応、同業者間のモラルに反した行為の中止と監視などを早急に行うことを決めました。
  また、製紙会社などの被害によって、原材料が今後逼迫することも予想されるため，メーカー会などにも連合会として対応するよう要望することになりました。
  当組合では、被害実態調査をいたしましたが、東支部の大東マークが印刷機の一部損傷と、シーレックスの仙台の工場で印刷機が一部損傷したものの、すでに修理が行われ、生産に大きな影響はないという報告がありました。

スカイツリーと浅草ビューホテル

  全日本シール印刷協同組合連合会(小宮山光男会長)主催の、第５４回年次大会東京大会は、来年１０月１９日(金)に当協組担当で「浅草ビューホテル」に於いて開催することがほぼ決定しました。
  当協組担当の年次大会は、平成１３年４月１３日にお台場の「グランパシフィックメリディアン」で開催以来１１年ぶりとなり、浅草ビューホテルでの開催は、平成５年４月９日以来、１９年ぶりとなります。
  ちなみに今年の第５４回大会は、１０月７日(金)に、京都のリーガロイヤルホテルで開催されます。

清宮：ラベルの市場規模は食品が四割以上で、最近の新聞記事でも、食品分野に進出というコメントが沢山出てきます。また印刷機の機械別ではまだ圧倒的に平圧が多い訳ですが、この辺については恩田さんどうでしょうか。

恩田：これは今日本で設置されている台数としては平圧が多いということですが、輪転の方が圧倒的にスピードが速いですから、ラベルの出荷量から見ると、またぜんぜん違ってくると思います。

清宮：それでは次に市場の変化ということについて語っていただきたいと思います。ＲＦＩＤなどは一時大きな市場になると騒がれましたが、その後一時ほどではなくなったような気がしますが。

恩田：以前からＩＣラベルとかＩＣタグがブレークするのではないかと言われましたが、ここへ来てようやくアパレル業界でＩＣタグを全商品につけて販売しているお店が出たり、最近ではアメリカのウォールマートがＩＣラベルを使うということで、大きな話題になっているようです。使うインレットが間に合わないのではと、インレットの取合いが始まっているような話も聞きましたから、だいぶ遅れましたが、これからは普及していくと思います。

盛本：　ＲＦＩＤというのは恩田さんも言いましたが、単価が高いので高価な物にしか貼れない。リライトといって読み書きができますから、システムを全部変えなくてはなりません。ジャスコさんにどれだけレジがあるか知りませんが、それを全部変えるには相当な設備投資が必要になるので、ある日突然コロッと替わるということは考えられません。今のシステムがそのまま使える二次元バーコードが当分続くのでは。

清宮：次に営業力の強化ということについて進めたいと思いますが。これも機械メーカーさん、粘着紙メーカーさんと三位一体となってやっていくことです。

平山：私どもではホームページの新設を考えています。今ある自社のホームページではなく、新たに集客用ホームページを立ち上げて、そこに自社のホームページとリンクさせていこうと考えています。集客用は基本的にはシールの知識を広めたり、問い合わせを戴くという方向性で考えています。もう一つは営業も提案力を持とうと言っていますが、一朝一夕にはできないことを実感しており、営業に広範な知識をつけるのは難しいと感じています。
先ほどワンストップという話が出ましたが、お客さんの中には、シールだけではなく、展示会もやってとか、カタログも作ってとか、ワンストップで御社にお願いするからというんです。これをうちの営業だけでやるのは難しいので、デザイナーさんとか企画会社さんと、うちの営業が組んでやるということを考えています。

盛本：　今病院では処方箋を書いてもらって、それをもって薬局に行って薬を貰いますが、お年寄りなどは種類が沢山あって、それぞれを一日分として袋に入れてくれる訳です。それが朝、昼、夜と袋にラベルが貼られています。これは必要なラベルで、ここにもう一つの新しい市場がある訳です。
粘着ラベルというのは、貼れる、なおかつ剥がせる、また貼れるといういろいろ機能を持っています。我々粘着紙メーカーとしても、先日の新年会で当社の大内社長が「新しい物にチャレンジしましょう」というお話をしましたが、ラベルの市場というのは無限に広がっていくと期待しています。

清宮：いずれにしても営業力強化、提案型営業と言いますが、思いついたらやってみる、あるいは基礎的な勉強をしなければ提案もできませんが。営業力強化と言うのは今後最大のテーマだと思いますので、三位一体となってやっていただければと思います。
先ほど平山さんもおっしゃいましたが、既存得意先も何もしなければ離反得意先になってしまう。得意先満足度を高める努力をしなくてはならない。離反得意先にも完全離反、部分離反、潜在離反と言う三つがありますが、それぞれに対応の仕方が違ってきます。
ぜひ、皆さんの所でもここ十年くらいの得意先の動向をおさらいして、離反得意先をもう一度攻めるということをやって下さい。

平山：完全離反のお客さんを戻すと言うのは大変だと思います。私どもに不信感や不満を持っているから離反していった訳ですから。そこを回復するのは相当に大変だと思います。したがって部分離反だとか潜在離反のお客様ですと、まだ首の皮一枚繋がっていますから、新たな提案を持ちかけてみると言うことはできると思います。
私も得意先に行った時には、「何かお困りの事はありませんか」と、なるべく言いたいと思っています。ただ雑談しているのでは意味がなく、商売の話をする、そしてその中で何が困っていますかと言う話から、ヒントを何とか掴むと言うことが大事だと思います。
営業マンに必要なのは、そのヒントをキャッチできるアンテナだと思います。相手がヒントを言ってくれているのに、ちっとも感じないで通り過ぎてしまうと、それは何の提案にも繋がらないと思いますので、営業マンを鍛えるのであれば、お客様が何を求めているのかを、引き当てる能力をつければいいと思います。

清宮：次にデジタル化への対応ということについて進めたいと思います。最近、デジフィールという言葉を聞くことがあります。
これはデジタルプロフィールの略で、つまり動く社内案内、動画で会社案内を作ると言うことですが、大東マークさんでは実際にやられているので説明していただけますか。

清水：　当社はほとんどが工業系のラベルのため、工場がほとんど地方になります。新規をとる場合に工場監査が必須になりますが、経費の削減で出張費が出ないなどの理由から、せっかくのチャンスがありながら見てもらえないケースがあります。それならネット上で当社の工場内を見てもらうことで、地方の得意先を増やすと言うことが第一の目的でした。紙媒体の会社案内もありますが、それと一緒にＤＶＤを付けることによって、社内でどんな活動をしているか、より深く理解してもらえます。
一番反応があったのは同業者の方から協力してもらえないかとか、例えばオフセット屋さんが、うちはシールは弱いので、話を聞かせてくれないかという問い合わせが多いです。一日に二十件から三十件のアクセスがありますので、今後この活動をしていきたいと思っています。

清宮：ホームページがまだない会社もあると思いますが、最低限ホームページを立ち上げて、名刺にアドレスを載せられるようになればいいなと思っています。

平山：当社も３Ｍ社のスコッチプリントを導入した際の経験をお話しますと、ハードを入れても全然動かない。それを動かすソフトウエア、使い方ですね。データをデジタル化して出力した時に、思うようにできない。このときにどう対応したらいいのかと言うのは、プリンターの問題ではなくソフトウエアの問題です。使いこなすだけの力量がないとなかなかできない。そこに気づくまでに、かなりの時間がかかりました。

清宮：デジタルプリンターはまだ台数的には少ないと思いますが、今後増えてくることは間違いないと思います。アームシールの高橋さんの所ではすでに導入していますが。

高橋：うちはローランドのコンパクトなプリンターを入れましたが、小ロットの対応と言うことを考えていました。表示ラベルがほとんどなので、他社さんがおっしゃっているようにそんなに苦しんではいません。シルク印刷の代わりにシールではできないような大きな物はできないか、もう少し儲かるような方法に持っていけたらと考えているところです。

清宮：デジタルプリンターと言うのは、ハードとしては変化が激しいと思いますが、恩田さんから見てどうでしょうか。

恩田：私どものアナログの機械と、デジタル機というのはだいぶ性質の異なるタイプの印刷機となります。ハードそのものも日進月歩で替わっていきますが、オフセット機などは五十年前から基本的な構造はほとんど変わっていません。それにデジタルの調整装置などは付いていますが、デジタル機は数年前に出たものが陳腐化してしまう。
このため、短期間に収益を上げていかないと回収が難しいと言う部分も出てくると思います。シール機の場合は、凸版にしても間欠機にしても、十年、二十年と言うスパンで使用していただいていますが、デジタル機は修理にしてもある程度の年数がたちますと、もう修理不能ですということになります。消耗品も供給不能ということになりました、と言うことになっていく可能性もあります。
ただ、機械の償却と言うことだけを考えると、導入することが難しくなりますが、その機械を入れることによってほかの仕事の方も増えると言う可能性もありますから、トータルで考えなくてはなりませんが、アナログ機とはだいぶ性質の異なる機械だということは言えると思います。

清宮：各社さんその会社の事情に合った仕事をよく見極めるということが、大切だということですね。清水：さんのところも導入していましたね。

清水：　当社もローランドの機械を入れていますが、うちはスクリーンとオフセットとシールをやっていますが、まずローランドの機械で試作を刷りまして、打ち合わせ中に色味とかサンプルだしをする。それで了解を得て量産機にかけるわけです。カラーマッチングなどもいま色々やっている最中です。

清宮：そうすると生産機のほかに、プレゼン用の校正機の役目もしているわけですね。それでは最後にグローバル化ということについてふれたいと思います。

平山：うちの場合は香港に会社があります。これはお客様のニーズで仕方なしに出て行ったのですが、最初はうちのような会社が向こうに出て行って、どうしたらできるのかと悩みましたが商社にお願いして、協力工場なども探していただきました。経理部門は私の知人を辿っていったら、香港で会社をやっている方がいましたので、独特の法律がありますので、その方に経理をお願いしました。
最後は支店の人の問題ですが、これはお客様に相談しましたら、そこの退職者がいるがどうだと言われ、その方に来ていただいてスタートしました。

恩田：特に抜き関係の会社は、そのユーザーが中国に進出しているために、付いてこいと言われて行っています。かつてラベル組合が台湾の業界を視察した際に、正美印刷さんという所を覚えている方もいると思いますが、今現在中国に四ヶ所の工場を持っていますが、中国だけで三千人の従業員がいます。このケースを見ても、中国の市場はすごいスピードで拡大していると感じます。ちょっと前までは生産拠点としての中国でしたが、今では巨大なマーケットとしての中国という気がします。日本のラベル会社さんもいま中国に進出しているところは多いですし、今後もまだ増えると思います。

盛本：　グローバル化はもう目の前まできているのではと言う気がしています。平山社長もおっしゃいましたが、海外へ出る会社はいま、嫌でも出ざるを得ないと言うところが増えてきています。当社にも月に二、三件は現地の市場調査の依頼とか一緒に同行してほしいという依頼が来ています。

清宮：今までご三方のお話を聞いて、まだまだ営業力を強化して、シール印刷業者、タック紙メーカー、印刷機メーカーの三位一体となって力を蓄えれば、筋肉質の会社になれるのではと感じました。

(終わり)

■温泉の効用とは
ここ最近は温泉ブームと言われていますが、温泉の効用となると意外と知られていないものです。そこで今回は「温泉の効用」についてまとめました。
一口に温泉と言っても温泉のもたらす作用には、「温熱作用」「物理的作用」「化学作用」「心理的作用」等があります。

■「温熱作用」とは
温泉に漬かることで体を温める効果が温熱効果ですが、特に温泉では「化学作用」とよい相乗効果をあげるといわれています。
温熱作用には、四十二度以上の熱い湯の高温浴と、三十六度から三十八度のぬる目の湯の微温浴があり、高温浴は交感神経を刺激し、低血圧の方やリフレッシュしたい方に最適です。微温浴は副交感神経を刺激し、睡眠前やストレスの解消に適しています。

■物理的作用とは
温泉に漬かることで水圧や浮力などを受ける効果を物理的作用と言いますが、「水圧」がかかることによって血行が良くなるマッサージ効果や、「浮力」の作用で体重が九分の一近くにもなり、全身の筋肉の緊張が一気にほぐれる効果もあります。

■化学作用とは
温泉に含まれている化学成分によって得られる効果を化学作用といいますが、温泉にはその地域や源泉によって、炭酸ガスや重曹などのさまざまな成分が含まれています。治療効果のある温泉水は主な成分によって９種類に分けることができます。
�@単純温泉　溶存物質量が温泉水１�s中に一ｇ未満のもので、泉温が二十五度以上のものを単純温泉といいます。体に対する刺激が少ない温泉です。肌にもやさしいので高齢者に向いていると言われます。
�A塩化物泉　塩素イオンを主成分とする温泉。入浴すると皮膚に塩分が付着して汗の蒸発を防ぐので保温効果があります。
�B炭酸水素温泉　炭酸水素イオンを主成分とする温泉。入浴すると皮膚の脂肪や分泌物を清浄化するので肌が滑らかになります。
�C硫酸温泉　硫酸イオンを主成分とする温泉。入浴すると切り傷・火傷に効果があります。その他にも動脈硬化や脳卒中の予防・後遺症によいといわれます。
�D硫黄泉　総硫黄が温泉水1キログラム中に二�r以上含まれる温泉。刺激の強い泉質なので、皮膚の弱い人、乾燥肌の人には向きません。高血圧や動脈硬化症、痔などによいといわれます。
�E含鉄泉　総鉄イオンが温泉水一ｋｇ中に二十�r以上含まれる温泉。貧血や痔によいといわれます。強酸性の鉄泉は乾燥肌の人には向きません。
�F酸性泉　水素イオンが温泉水一�s中に一�r以上含まれる温泉。刺激が強く、湯ただれを起こすこともあります。高齢者や乾燥肌の人には向きません。
�G二酸化炭素泉　二酸化炭素が溶け込んでいるので、小さな泡が体につくのが特徴です。保温効果があります。
�H放射能線　「ラジウム泉」とも呼ばれ、微量の放射能が含まれていますが、心配はありません。無色透明の湯で、リラックス効果があります。

■心理的作用とは
日常生活と異なった環境によりストレスから開放される効果(転地効果)がある。

これらの効用を理解して、温泉に入れば、温泉がさらに楽しくなるのではないでしょうか。

＜＜参考資料＞＞
http://www.citydo.com/onsen/column/trivia.html

(株)三條機械製作所(東京都千代田区神田須田町2-11 電話3253-8351)では、このほどコンパクトなボディから表現される美しい色彩とさらにロスの少ない間欠式凸版輪転印刷機「ＥＳ―２５０」と「ＮＳ―３００」を発売し、好評を得ている。
これらは従来の「ＥＳ―１５０」と「ＮＳ―２５０」の印刷精度や原紙のロス最小化という性能はそのままに、印刷幅をひろくしたもので、より使い勝手をよくしている。
同社の凸版輪転間欠式ラベル印刷機は、すでに多くの業者に実績があるが、
�@インキ供給が確実に行われるようにロール配列が施され、ゴーストを抑えた高品質印刷が可能。
�Aタッチスクリーンモニタでチェックしながらパネルで必要なデータ(速度、印刷長、ＦＤカット比、オプションの要否)をセットするだけで、すべての設定が自動的にでき、版交換も容易に行え、多種少量生産に適している。
�Bウェブテンションは印刷ユニット前後に取り付けられたニップローラによって全過程を通じて一定に保たれ非常に安定した見当精度を実現、また被印刷材に応じて、ワンタッチで適正テンションの設定が可能なため、結果として原紙ロスを最小化している。
�Cいろいろな加工要求に対応するため、インラインでできる多彩なオプションが用意され、標準付属の日ら抜きユニット、２ＮＤパスに加え、複雑な形状のうち抜きを可能にしたフレキシブルダイユニット、フレキソユニット、箔押しユニット、ラミネートユニット等々、多彩な付属品の取り付けが可能。
「ＥＳ―２００」の主な仕様は次のとおり。
▼印刷方式= 樹脂凸版▼印刷色数=６色▼原反幅=２００mm▼印刷幅=１９０mm▼紙送り長さ=１０〜１５５mm▼原反径４００ø▼打抜き方式=フラットダイ▼運転速度=２００imp／min▼打抜き送り長さ=１５５mm▼打抜き面積=１５０×１９０mm▼機械重量=２．５トン(４色機)
同社ではこの他に、オフセット輪転間欠印刷機、凸版輪転印刷機など、多くの機種を揃えている。